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科 目 名  公的扶助論
担 当 者  下村 幸仁
開 講 期 前期 履修年次 新2、旧4 必修選択別

選択

単 位 数

2

時 間 数

30

授業形式

講義

カテゴリ

地域関連科目

 
【科目の目的】
 公的扶助は、わが国では生活保護制度として存在し、社会保障・社会福祉の最後の砦と呼ばれている。しかし、福祉事務所やそこでソーシャルワークを実践するケースワーカーによって運用が異なるなどの問題があり、不服申立や訴訟が頻発している。生活保護制度がセーフティネットとして正しく機能していれば、私たちは安心して生活できることになる。ところが、長期化する経済不況の下、国民生活の窮乏化は進行しており、生活保護受給者は217万人に達している。こうした状況の中、保護基準の引き下げ行われ、その影響は計り知れない。まさに、ナショナル・ミニマムの在り方とともに生活保護制度はその役割について根本的に改善を要する状況になる。
  本講義では、公的扶助の歴史・制度・意義・役割・機能について理解し、現代的貧困の広がりに対してどのような役割・機能を果たすべきなのかについて理論的に考察する。また、2015年度から施行された活困窮者自立支援制度との関係についても検討していく。
 
【到達目標】
 (知識・理解)
 以下の知識体系を身につけ、多角的・総合的に理解することができる。
 @貧困の原因を正しく理解できる。
 A生活保護法の原理・原則を理解・説明できる。
 
 (思考・判断・表現/思考・技能・実践)
 以下の論理的思考力・問題解決力により、社会生活を営む上での必要な技術を身につけ、それを活用することができる。
 @利用者の立場に寄り添った制度理解ができる。
 A住民の生活再建に向けた生活保護制度及び生活困窮者自立支援制度の活用ができる。
 
 (態度・志向性)
 社会福祉専門職としての責務を果たすための態度や志向性を持つことができる。
 @マクロ的視点から貧困問題にアプローチすることができる。
【授業内容】
 1 ガイダンスおよび貧困の理解
 2 公的扶助の概念、意義・役割および公的扶助制度の歴史
 3 生活保護法の目的と基本原理
 4 生活保護法の原則
 5 保護の種類と内容および費用
 6 被保護者の権利義務と行政争訟
 7 国・地方自治体の役割と協力機関
 8 福祉事務所の組織体系と活動
 9 生活保護ケースワーカーと査察指導員の役割
 10 保健・医療・福祉との連携の方法
 11 民間支援団体とのネットワーク
 12 自立概念と自立支援プログラムの位置付け
 13 自立支援プログラムの策定と到達状況
 14 生活困窮者対策と支援の実際
 15 ホームレス自立支援法と民間支援
 
 【授業外の学修】
  毎回の講義終了時に次回の講義に関連する資料を配付するので、必ずそれを読み、問題点や課題について自分の考えを整理しておくこと。
 
 
 
【教育方法】
 授業は、テキストとパワーポイントをもとにした講義形式とし、グループ討議も行う。DVD等の視聴覚教材も使用する。教員からの一方的講義ではなく、対話形式を心がけて臨むこと。
 
 【実務経験のある教員による教育方法】
  ホームレスや生活困窮者に対する自立支援で活動しているNPO法人の方をゲストに招き、受講生とディスカッションする機会を設けます。
 
【評価方法】
 (知識・理解)
 ◎80%
 ・貧困の歴史の原因を理解していること。
 ・生活保護制度の基本原理や原則を理解していること。
 ・2回行う中間テストの理解状況(@10×2=20%)。
 (思考・判断・表現/思考・技能・実践)
 ◎10%(論述問題に含む)
 ・生活保護の必要性を理解したうえで、貧困及び生活困窮状態にある人たちをどの様に援助していく
  べきか思考し、判断できていること。
 
 (態度・志向性)
 ・講義への参画、及びリアクションペーパーへの講義内容理解コメント(コメントがないものは欠席
  と見なします)。
 ・欠席1回毎に4点減点とする。
 
【必携図書】
 伊藤秀一編著『低所得者に帯する支援と生活保護制度』第5版、弘文堂、2,700円  関連サイト
【参考図書】
 ・尾藤廣喜ほか編著『改定新版 これが生活保護だ』、高菅出版、2006年、2,900円
 ・柏木ハルコ著『健康で文化的な最低限度の生活』(1)〜(7)小学館、2015年-2016年
 ・岩田正美『現代の貧困』ちくま新書、2007年
 ・杉村宏編著『格差・貧困と生活保護』明石書店、2007年
 ・小野哲郎著『改訂増補 ケースワークの基本問題』川島書店、1986年
 
  ほか多数、授業で適宜参考図書を紹介していきます。  関連サイト
【履修上の注意】
 社会福祉士養成課程の必修科目である。例年、単位を落とす学生が多いため、積極的な授業参加を事前に指導します。
【過去の活動状況】
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【学生へのメッセージ】
  新聞等により貧困に対する社会問題に興味をもって臨むこと。私たちが生きていくためのナショナルミニマムをどのように保障するのかを社会正義の視点をもって学んでください。 
 
 ・再試験は実施しません。

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