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科 目 名  モノづくりデザインの基礎
担 当 者  山本 隆司
開 講 期 後期 履修年次 1 必修選択別

選択

単 位 数

2

時 間 数

30

授業形式

講義

カテゴリ

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【科目の目的】
 本講義ではモノ(人工物)づくりの基礎的素養を身につけることを目標とする。、その素養はモノの使用者としてその性能を正しく引出し、安全に取り扱える力を修得することにもつながる。本講義では、モノづくりに関連する多様な内容のうち、とくに設計・デザインに主眼をおく。デザインでは図面における描画法の取り扱いが重要であり、2次元情報として描かれた図形および形状寸法をもとに人工物である3次元物体の全体像や空間における配置(物体を認知する者から見た向き)の正確な理解や、物体の情報を他者に正確に伝達できる図形認識の基礎的素養の修得に力点をおく。理工系学生にとっては必須の内容であるが、文科系学生にとっても、設計者の意図が表現されている図面の判読は、国内企業に勤める際にはもちろん、海外で活躍する際にも必要となる世界で共通して求められる能力である。
 
 学士力(=学士基盤力):「自然・社会・文化理解」、「想像力・表現力」、「自己学修力」
【到達目標】
 (知識・理解)
 設計や設計図面上の常識的な基礎的知見やルールおよびモノの生産上の特質を理解・修得し、モノの正しい利用法およびその改良・改善策を提案できる力も身につける。
 (思考・判断・表現/思考・技能・実践)
 製品の取扱い説明書や国際的に利用されている図面作成上のルールを理解でき、設計者の意図に合致したモノの適切な使用法を正確に把握すること、また、生産工程における特質からどのような危険性・不具合が生じる可能性があるのかに関する思考力と、設計者・生産者にモノの不具合やその改善策を正しくフィードバックできる実践力を養う。
 (態度・志向性)
 学生が卒業後、どのような分野に進んでも企業・業界の理工系学生を含む人々との会話が成り立ち、疎外感やアレルギーを感じないように人工物に関する常識・素養を修得する。また、利用者としての経験がモノの生産工程にもフィードバック・反映できるような正しい知見を修得する。
【授業内容】
 モノの設計・生産に関する基礎となる知見は多種多様である。そのうち設計・デザインは、図面上に表現された設計者の意図が生産を担当する部門に正確に伝達されなければならない。物体の情報を図面上の2次元情報に変換する“共通言語”となる設計図面の作成のルールとしての描画法、図面情報から3次元の物体として造形し、また認識する手法に関する原理、すなわち各種投影法(正投影法、軸側投影法、透視投影法など)、また物体の回転によって図形が図面上でいかに変化するかなどを正投影法の場合について学ぶ。さらに図形処理に関連するコンピュータ処理法の原理、関連する標準(日本産業規格(JIS)、国際規格)、生産に関する各種工程やそこで課題となる品質管理・性能維持、保守管理などのモノづくりの基本的知見についてもやさしく講義する。
 
 1. 講義の内容説明(第1回)
 (1)モノとは何か、モノの種類
 (2)モノの総合評価、製造業とは、モノづくりに関する基礎的知見について
 (3)科目の目的
 (4)講義内容とその構成
 2.設計と生産(第2回)
 (1)設計と生産(製造・加工)行為、設計と生産に必要な工程、主要な生産手段・加工法
 (2)生産工程における設計図面の役割 
 (3)材料の種類とその選定、材料の性質(破壊強度、弾性、粘性など)
 3.工作機械の代表的種類とその実際(第3回)
 (1)旋削と旋盤
 (2)研削の種類と研削盤
 (3)放電加工、レザー加工、電解加工
 (4)プレス加工、鋳造、鍛造
 4.人工物(工業製品)のなぜ ー講義の息抜きにー(第4回)
 (1)回転方向のなぜ
 (2)乗り物の乗降口の右左
 (3)モノと生物の右巻きと左巻き
 (4)自動車の動力源の将来、従来型のエンジンと電気モーター
 5.品質管理の基礎としての標準、法規(第5回)
 (1)設計・モノづくりと標準、日本産業規格(JIS)、国際規格(ISO規格、IEC規格) 
 (2)製造物責任法(Product Liability法)、技術者倫理
 (3)法令遵守、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility) 
 6.設計図面作成に必要な知見と描画法演習(第6回、第7回、第8回、第9回、第10回、第11回、第12回)
 (1)3次元情報の2次元情報化手法としての投影法とその種類(第6回)
 (2)直線、曲線、平面、曲面、立体の表示法(第7回、第8回) 
 (3)図形の表示法、第一角法、第三角法および与えられた立体および部品の正面図、平面図、右側面図の描画演習(第9回、第10回)
 (4)正面図、立面図、側面図、背面図および正投影法による単純形状の三面図の作成(第11回)
 (5)透視図の描画(一枚の画面で立体を3次元的に描く代表的描画法)(第12回、第13回)
 7.モノの機構・機能・耐久性(第14回) 
 (1)機械の3つの構成要素
 (2)機構学
 (3)トライボロジーという学問
 8.保守管理 保守・保全・管理法の基礎(第15回)
 (1)モノの静的性能と動的性能、機構学の基礎、耐久性・機能維持
 (2)保守保全管理法の基礎
 (3)故障と安全性、不具合・故障予知
【教育方法】
 パワーポイントおよび板書により講義形式で授業を行う。毎回講義資料を配布する。また講義と並行して受講生が講義内容を実証的に理解できるように実習および図形処理の履修時間には演習も行う。
【評価方法】
 (知識・理解)
 講義内容の理解度 50%
 小テスト 20%
 (思考・判断・表現/思考・技能・実践)
 演習 30%
【必携図書】
 指定しない。講義プリントを使用する。
【参考図書】
 機械設計工学1「要素と設計」(培風館)、機械製作法通論・上下(東京大学出版会)、工学基礎「図学と製図」サイエンス社、役に立つ機械製図(朝倉書店)
【履修上の注意】
 本科目は「地(知)の拠点大学による地方創生事業」(COC+(COCプラス))の4つのコース(ツーリズム、ものづくり、子育て支援、CCRC)の内の一つ、「ものづくりコース」に関連する専門基礎科目として設定されている。しかし、ものづくりに直接関与する予定のない学生の受講も歓迎する。
【過去の活動状況】
  http://www.life.tsukuba.ac.jp/activity/yamamoto-sensei_taikankouen.pdf
  http://web.tuat.ac.jp/~koukai/gakuho/2007/466/topics3.html
  https://www.jica.go.jp/topics/news/2014/20140905_01.html
【学生へのメッセージ】
 本講義では、モノづくりに関連する多様な内容のうち、とくに設計・デザインに主眼をおき、とりわけてもデザインでは図面における描画法の取り扱いが重要であることから、図形認識の基礎的素養の修得に力点をおく。モノづくりでは設計・生産工程に関わる関係者の共通の言語である図形認識法(能力)を共通化しておく必要があるが、その能力は、言語(国語)能力や音感能力と同様に、生活者にとって基本的な能力である。図形認識能力の基礎的素養は、多くの学生にとって幼児時期に体系的に学ぶ機会が与えられていないが、この知見はモノの正確な認知能力を構成するものである。また、一般市民はモノを適切に活用して快適な生活を享受しているが、適切・最適・安全な利用法の知見を修得しておかなければ、大きな危険に遭遇するリスクがある。これらは理工系学生だけでなく、文科系学生にとっても必須の素養である。文科系学生もメーカーに就職する機会が増えると推定され、理工系大学卒業生とモノの生産・製造に関する意思疎通が入社後短期間で可能になることが企業就職後に有利になる。講義内容の多くは、はじめて接する学生が多いと推察するが、わかりやすさを第一として講義を行うので、学生は安心して受講してほしい。なお、描画演習に使用する用具はすべて貸与するので、受講生が購入する必要はない。

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